第1回 研究集会

本研究集会は終了しました。最終更新日2001/05/28。

1995年12月16日、14:00〜18:00、大阪・北区民センターにて開催。

メインテーマ:フィールドワークの主題と記述をめぐって
司会:浮葉正親(名古屋大学)
「話者の「思い」・民俗学者の「思い」」<発表者>島村恭則(筑波大学大学院) ;<コメンテーター>川森博司(国立歴史民俗博物館)
(要旨) 民俗学文化人類学、宗教学などにおける調査・採訪において、話者と調査・採訪者とは相互に影響しあう関係にあるということがしばしば指摘されている。しかし、日本での民俗調査・採訪について、その関係を具体的事例に則して考察したものは皆無に近い。本発表では、この問題について、とくに話者の「思い」と民俗学者の「思い」との関わりという点に注目して、具体的事例の検討を行う。事例は、報告者自身の民俗採訪体験についての内省結果に求めたい。

「香港における慈善活動の「大衆化」 ---その調査研究における可能性と問題点」<発表者>芹澤知宏(大阪大学大学院) ;<コメンテーター>岡本真佐子(大阪大学人間科学部)
(要旨) 報告者は、2年間の現地留学を含め、香港の慈善活動についての文化人類学的研究を継続中である。今回の報告では、近年の香港に見られる慈善活動の募金活動の増加、多様化、そして寄付を求める対象の変化、という現象を取り上げる。この社会事象の現状報告に加えて、文化人類学の調査研究としての事象を取り上げることの意義、そして方法と概念についての検討、さらには文化人類学の都市研究一般への問題提起も行う予定である。