第2回 研究集会

本研究集会は終了しました。最終更新日2001/06/28。

日時:1997年01月11日 午後1〜5時
場所:ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)

メインテーマ <歴史と力 −国家という制度、郷土という幻想−>
戦時下における在日韓国人統制と「内地」  井上厚史(島根県国際短期大学
コメンテーター:加藤昌彦(関西外国語大学人権思想研究所)

 戦前の日本に数多く居住していた朝鮮(韓国)人は、戦時下の国家総動員体制の下で過酷な管理統制の対象とされた。その統制組織の本質は異端分子=反体制分子としての朝鮮(韓国)人の思想統制であったが、こうした監視・統制体制は、同時に「相互監視システム」とでも呼ぶべき均質化の制度を作り出し、日本人自身の日常生活を操作する権力と表裏一体であったことを明らかにしてみたい。

桃太郎伝説」の成立 −観光と伝承−  斉藤純(兵庫県立歴史博物館)
コメンテーター:橘 弘文(大阪明浄女子短期大学

 現在、桃太郎が活躍したという土地が、岡山・高松・犬山の三ケ所にあり、高松・犬山では「桃太郎神社」すら祀られている。発表者は犬山の「桃太郎神社」を調査し、伝説の成立が大正〜昭和初期という見通しを得た。特に犬山では観光による村おこしが画策されており、これらの伝説は桃太郎像の流行と郷土意識の高揚、観光開発という、近代史上の問題を含むものらしい。発表では各桃太郎伝説を概観し、その特色を明らかにしたい。

司会:村上和弘大阪大学大学院)