第6回 研究集会

本研究集会は終了いたしました。最終更新日2001/05/28。

2000年12月16日(土) 13:30〜17:00、ホテルアウィーナにて開催。

メインテーマ <国民国家の形成と物語の変容>
司会:浮葉正親(名古屋大学留学生センター)
「近代産業化と職工像の変容 ---高度経済成長と職工のサラリーマン化」 金子 毅(国学院大学大学院)
 高度経済成長という時代状況の中での職工の変質過程を、多発する労働災害と対処のためにアメリカから導入された「安全」を軸に考察した。当初、現場サイドで定着しにくかった「安全」(ことに保護具の着用に象徴)の観念は、映画等メディア化された言説や人間工学に裏付けられた安全教育を通して身体化されたが、一方でそれは「安全競争」という時代要求との関連から職工の企業への馴化をもたらした(サラリーマン的職工の出現)。

「近代戦争と神々 ---神を戦地に送る/戦地から迎える儀礼を題材として」 丸山泰明(大阪大学大学院)
 近代日本の戦時下では、土着の神々が戦地へと出征していったという「神様の出征」のフォークロアが発生した。この発表では、戦争をめぐる民俗学研究史とその問題点を整理し、岩手県紫波郡紫波町での調査のデータを報告した。